バリ島視察旅行記・前編
島さんのブログで少し触れられていましたが
わたくし、このたびバリ島に行っておりました!
「神々のすむ島」と謳われるにふさわしいとても素敵なところでしたので
お土産話を少々したいと思います。
バリ島はインドネシア共和国の島になり、赤道より南に位置します。
山中にとっては初めての南半球でしたが、
なるほど空港から降りると湿気をふくんだ熱気が容赦なく汗を誘います。
最高平均気温31度、平均湿度厄78%という数字が
直接体に突きつけられるようです。
用意されたバスに乗り揺られること10分…
「ん?…」
違和感を感じます。
海外特有の原付バイクの多さやクラクションの喧騒以外に何か…
「!!!信号がない!」
バリの道路にはほとんど信号がなく、
速度規制もありません。
(最高時速100kmで、これは規制があってないようなものです)
どんな細い道もクラクションと共にスピードを上げ
次々と他の車を追い越す我らがバス。
車道ギリギリに寝そべる犬や鶏も
なんてことない顔をして弾丸バスを見送っています。
これが日常といわんばかりです。
パシャリ「おぅ…」↓
パシャリ「おおぅ…」↓
バスの疾走感を表すには抜群の写真です。
しかし私が撮りたかったものはこれではありません。
止まらない車内からの撮影が
こんなに難易度の高いミッションだったとは!
本当に写真に収めたかったのは、
バリ島の方がどんな生活をしていらっしゃるのか。
山中の興味はそこにつきます。
見たところ、バリ島の家々はすべて閉じられた外構です。
レンガやコンクリートで敷地を高く囲っています。
すると通りから目につくのは
さまざまなデザインの意匠をこらした門、
「アンクル・アンクル」。
お目汚し覚悟で、記憶とぼやけた写真を頼りに絵を描きました。
シンプルなデザイン↑
数段上ったところに人の身丈以上に高く、
かつ左右対称に門(または門柱)を構えています。
その通り口は狭く、門の高さと相まって
ズーンとそびえたっている印象を受けました。
門をくぐってすぐに神様の像が置かれているところも。
像ではなく彫り物をした壁だったりするお宅もあります。
これは「アリンアリン」と呼ばれる魔除けだそう。
通りから侵入してくる悪いものを追い払う役割を担っています。
「割れ門」と呼ばれるバリの伝統的な入り口。
真っ二つに割ったような両柱が特徴です。
「アリンアリン」と似たような意味を持ちます。
もし悪いものが入ろうと門をくぐったら…
ガシャーンッと挟んで閉じるといわれています。
「アリンアリン」や「割れ門」などバリ島の建築様式は、
宗教的な意味をもとに成り立っており
それが現代でもしっかりと根付いているんですね。
門を数段高く設置している理由も、
高い方が善く、低いことは悪である、という
考えからでてきています。
「すべての事象は善と悪のどちらともで成り立っている」
これがバリ島の人々の考えの根底にあるものです。
このふたつの善悪の最たる象徴が
善=山(アグン山)
悪=海
になります。
門の位置も、台所の位置も、寝所の位置も
山側かその反対かで全てが決まります。
(ちなみに用途によって部屋は別棟であるのが一般的です)
では、敷地内でもっとも吉方に建てられているのは
いったいなんでしょーか??
お店だろうが家だろうが右手前の同じ場所に
必ずこれが建っていて不思議だったんです。
きっと現代日本人では当てられっこありません!
スーパーひとしくんの出番はないでしょう…。
正解はこちら!
家寺です!
バリの島人がいちばん大切にしている建物です。
リフォーム・リガーデン資金はこの家寺に注ぎ込まれ、
逆に海側に位置する水回りは放ったらかしだとか。
日本でいうと「キッチンをオール電化にする!?
そんなお金あるなら神棚や仏壇を買い替えようよ!」
といった具合の話です。
ここまで方角によって決まっていると、
残念ながらガーデンデザインの仕事は
バリ島では需要がなさそうです(^-^;
軽くバリ島の外構について触れたら
バリの世界観にまで触れなければならず
思ったより長くなってしまいました。
一度ここで切らせていただいて
また後日、旅の経緯や楽しかった思い出をお話します。
後半へつづく!
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